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船釣り初心者講座-1

公開日:2023/10/22

「船釣り」は初心者でも楽しめる!メリットや利用手順など基礎知識を解説

船釣りは、これから釣りを始めたい人や、まだまだ釣り経験が浅い人にもおすすめできる釣りのスタイルです。
メリットも多く、レジャー感覚で楽しめるため、幅広い年代の釣り人に愛されています。

このコラムでは、船釣りの基礎知識から楽しみ方まで幅広く解説。
「船釣りってどうなんだろう?」と思ったときには、ぜひ参考にしてみてください。

「船釣り」とはどんな釣り?基礎知識を学ぼう

船釣りとは、その名前のとおり、船上で行う釣りのスタイルを指します。
陸から釣り竿を出して魚を釣るのではなく、船で海上へと出て、船の上でそのまま釣り糸を垂らすのが船釣りの特徴。
同じ「船を使う釣り」スタイルでも、「船で釣り場へと移動して、岩の上から釣りをする」という場合は船釣りとは言いません。

ちなみに「船釣り」の読み方は、「ふなづり」もしくは「ふねづり」です。
船で沖合に出てから釣りをするため、「沖釣り」という名前で呼ばれることもあります。
また船釣りの中でも、ルアーを使って楽しむ場合には「オフショアフィッシング」という名称で親しまれています。

釣り初心者の中には、「いきなり船釣りはちょっと敷居が高い…」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、しっかりと準備を整えておけば、不安になる必要はありません。
船釣りそのものは5~6歳から楽しめるでしょう。
波止釣りや釣り堀にはない魅力を味わえますから、ぜひ挑戦してみてください。

船釣りのメリット・デメリット

船釣りについてより深く理解するため、頭に入れておきたいのがメリット・デメリットです。
まずは船釣りならではの3つのメリットからチェックしてみましょう。

【船釣りのメリット】
・釣れているポイントで釣りができる
・釣果によって臨機応変な対応が可能
・船長とコミュニケーションを取りながら釣りを楽しめる

船釣りの最大の特徴は、「釣り人の方から魚が集まるスポットに出向いて釣りができる」という点です。
陸から釣り竿を出す場合、狙える範囲や魚は限られるでしょう。
船釣は船長の裁量によりますが、釣れなければ海の上を自由に移動して行くので、初心者でも比較的魚を釣りやすいのです。

また船長とのコミュニケーションも、船釣りならではの魅力のひとつです。
プロから直接釣り方を教われる点も、非常に大きなメリットと言えます。

では反対に、船釣りのデメリットとはどのようなポイントなのでしょうか。
こちらも3つ紹介します。

【船釣りのデメリット】
・コストがかかる
・時間や場所の自由度が低い
・人同士のコミュニケーションの手間が発生する可能性も

船に乗るためには、相応の料金が発生します。
また乗船時間や乗船場所も細かく指定されているため、自由度が低くなってしまいがちです。
最低乗船人数に満たない場合、「予約をして楽しみにしていたのに、結局船が出なかった」という可能性もあるでしょう。

また、船釣りのメリットでもある「人とのコミュニケーション」は、裏を返せばデメリットにも。
船長と気が合わない恐れもありますし、その応対に満足できない可能性も。
常連ばかりの中で、肩身の狭い思いをしたり、馴染みのないローカルルールに悩まされたりするリスクも否定できません。

もちろん、船釣りであっても「確実に釣れる」というわけではありません。
釣れなかった場合には、「せっかくコストをかけて行ったのに…」と、落胆の度合いが大きくなってしまいがちな点も、デメリットと言えそうですね。
ですが魚が釣れた場合に、同じ種類の魚をスーパーで購入したらと考えると元がとれるような場合もあり、 ちゃんと保存して持ち帰ればスーパーより格段に良い鮮度の美味しい魚を食べれるのは大きなメリットです。

船釣りは初心者でも安心!釣りをするまでの手順を解説

船釣りにはデメリットもありますが、事前準備をしっかりと行っておけば、初心者でも安心して楽しめるでしょう。
ここでは、実際に船釣りに出かけるまでの手順を、初心者向けに解説します。
ぜひ参考にしてみてください。

①釣りたい魚を選ぶ
船釣りに出かけるなら、まずは釣りたい魚を選びましょう。
船釣りの魅力のひとつは、釣りたての新鮮な魚を食べられること。
「食べたい魚」という目線で選んでみるのも良いかもしれません。

ただし、魚にも旬はありますし、「釣りたい魚=初心者にとって釣りやすい魚」とも限らないのが現実です。
船釣り初心者の頃は、「その時期、その場所で釣りやすいと思われる魚」に的を絞って選んでみるのも良いでしょう。

②釣り船を予約する
目当ての魚が決まったら、釣り船を予約します。「できるだけ手軽に予約したい」「難しい内容はよくわからない…」という場合には、 数多くの釣り船が掲載されてい釣り船予約サイトを活用するのがおすすめです。
エリアや釣りたい魚の種類から、希望の釣り船を絞りこんで予約まで可能なサイトもあります。
電話をしたり、相手方と直接話したりする必要もないため、非常に手軽ですが、 大規模な釣り船予約サイトでも最新の出船情報が掲載されていない場合が非常に多いので、 釣り船毎に個別の公式ページをチェックしてみるのをおすすめします。

釣り船を予約する際に、頭に入れておきたいのが、釣り船に関する基本情報です。
魚を獲るための船には、大きく以下の2つの種類が存在しています。
・職漁船
・遊漁船

職漁船というのは、いわゆる漁師さんが仕事のために乗る船のこと。
一方で遊漁船は、一般の人を乗せて沖合に出ることを想定して作られています。
一般人が船釣り目的に利用可能なのは遊漁船のみです。

また遊漁船にも、以下のような種類があります。
・乗合船
・仕立船

乗合船とは、さまざまな人たちが乗り合って出す船のこと。
船の規模はさまざまですし、また申し込み状況によっても、当日の乗船人数は違ってくるでしょう。
一緒に乗る人たちを自分で選ぶことはできないため、どういった雰囲気になるのかは、運任せです。

一方で仕立船とは、一隻の船を家族やグループで貸し切る方式を指します。
その日の船に乗るのは、自分の見知った人ばかりとなるため、よりアットホームな雰囲気で船釣りを楽しめるでしょう。
引っ込み思案な方にとっても、遠慮せず、船長やスタッフとコミュニケーションを取れるというメリットもあります。

乗合船の場合は、予約が不要な釣り船もありますが、常に事前に予約が必要だったり、 土日のみは予約が必須の釣り船もあるので注意して下さい。
また、事前予約が2名以下なら出船しない場合もあります。

一方で仕立船の場合は、一隻分の船の料金を支払って予約すれば天候以外の理由で出船しないことはありませんが、 5~8人以上など最低人数が決まっているところが多く、少人数だと費用が高くなるので、大人数で釣行したい場合には 仕立船を検討してみるのがおすすめです。

乗合船にも仕立船にも、メリットとデメリットの両方があります。

・どのような雰囲気で釣りを楽しみたいのか?
・どの程度の予算を考えているのか?
・それぞれのデメリットを、どの程度許容できるのか?

これらのポイントを考慮しながら、自分にぴったりな船のタイプを選んでみてください。

③予約した日時に指定場所に行く
船の予約が完了したら、あとは当日に、指定場所へと向かえばOKです。
船釣りに必要な準備はしっかりと整えておきましょう。

船の出船時間は、どのような魚を目的にするのかによっても異なるもの。
基本的に朝早い時間の出船が多いのですが、出船時間の一時間前ぐらいまでに集合して 30分前ぐらいには受付を済ませて乗船するルールとなっている釣り船が多いので注意して下さい。
集合時間に遅刻すれば、その日に乗船するすべての人に迷惑をかけてしまいます。
時間節約のために釣り場に急ごうとすれば、安全管理が疎かになってしまう可能性もあるでしょう。
予約日時や場所は事前にしっかりと確認の上で、余裕を持ってお出かけください。

船釣りを楽しむために必要な費用の目安

これから船釣りを楽しみたいと思っている方の中には、「どのくらいのお金がかかるのだろう…」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
船釣りを楽しむために必要な費用の内訳は、大きく以下の2つに分けられます。

・船釣りに必要なアイテムを揃える費用
・乗船費用

まずは、船釣りに必要なアイテムを揃える費用についてチェックしましょう。
船釣りに必要なアイテムは、以下のとおりです。
・釣り竿
・リール
・仕掛け
・ライフジャケット
・クーラーボックス
・各種小物類(はさみやタオル、ゴミ袋など)

すでに自身の道具を揃えて釣りを楽しんでいる場合、それらのアイテムを使えばOKです。

釣り竿やリールを一から揃えようと思うと、費用が高額になりがちですし、また「自分に合う釣り竿をどう選べば良いのかもわからない…」といった事態に陥りがちです。
特に船釣りが初めての場合は、レンタル品をフル活用してみてください。

上で紹介したアイテムのうち、釣り竿・リール・ライフジャケット(無料)は船宿で借りられるケースがほとんどです。
レンタルなら自分で選ぶ手間は発生しませんし、1日あたりの価格も1,000円~2,000円程度です。

ただし、船宿によって借りられるアイテムには違いがあります。
具体的に何をレンタルできるのか、事前に確認しておくと安心です。
レンタル費用についてもこの段階で確認しておけば、いざ現地で慌てることもありません。

乗船費用については、選ぶ船によってまちまちです。
一般的な乗合船の料金相場は、魚種によっても違いますが、1人当たり8,000円~12,000円ぐらいです。
船によっては女性割引や子ども割引を導入しているところもあり、こうした制度を上手に使えば、5,000円~7,000円程度で乗船できるでしょう。
また「朝に出て昼頃に帰ってくる」といった半日プランなら、よりお手頃な価格で船釣りを楽しめます。

仕立船の場合は、利用人数にかかわらず船1隻分の料金を支払います。
人数が集まれば、1人当たり10,000円~15,000円程度の負担で乗船できる船も多いですから、ぜひ探してみてください。

「船釣り=高いのでは?」と不安を感じている方もいるかもしれませんが、レンタル品と乗合船を利用すれば、1日あたり10,000円程度で楽しめるでしょう。
「釣りたての新鮮な魚を食べられる」というメリットもあります。
誰でも日常的に楽しめるレジャーのひとつとして、ぜひ取り入れてみてください。

船釣りする際に知っておきたい注意点3つ

船釣りをする際には、いくつか注意点もあります。
3つ紹介するので、こちらも頭に入れておいてください。

①船選びは釣果情報を参考にしよう!
特に船釣り初心者にとって、場の雰囲気を楽しめるかどうかは、船選びにかかっていると言っても過言ではありません。
どの船を選べば良いのか悩んだときには、ぜひ各船が公表している釣果情報を参考にしてみてください。

釣果情報とは、各船が釣りで得た成果を公表している情報のこと。
「たくさん釣れている船が良い」というのはもちろんですが、そのコメント内容にもぜひ注目してみましょう。
専門用語を多用していたり、コメントが極端に少なかったりする場合、初心者向けではない可能性も。
コメントからも親しみやすさがにじみ出ていれば、初心者でも安心して船釣りを楽しめる可能性が高いです。

②安心・安全のため船長の指示は絶対!
釣りに行く日を決め、船を予約すれば一安心。
とはいえ、予約したからといって、確実に船が出るわけではありません。
当日の雨や風がひどければ、船長判断により「船は出せない」と言われる可能性もあります。
船に乗せてもらう以上、その指示は「絶対」という点を、頭に入れておきましょう。

現時点で雨や風が落ち着いていても、これから先に荒れてくる可能性もあるでしょう。
いったん海が荒れてしまえば、「出港したものの戻れない」という事態にもなりかねません。
自身の身の安全のためにも、素直に指示に従ってください。

遠方から出かける場合には、前日夜に、船宿側に問い合わせておくと安心です。
「朝早く時間をかけて出かけたのに、船が出なかった…」といった事態も避けられるでしょう。

③船酔いリスクには入念な準備を
船釣りをする上で、欠かせないのが船酔い対策です。
「乗り物酔いしやすい」という自覚がある方はもちろん、そうではない方も、初めてのときは入念に準備を整えておきましょう。

酔い止め薬は事前に飲んで乗船すると安心です。
また船の中央より後ろ寄りの席を取れば、比較的揺れが少なくなるでしょう。
前日の夜はしっかりと眠り、当日の朝食や船上で食べる昼食には、比較的あっさりしていて消化の良いものを選んでください。

また風が弱い日を選んだ方が、船酔いリスクは少なくなります。
天候から乗船日を決定するのもおすすめですよ。

基礎知識を身につけていざ船釣りを楽しんでみて!

船釣りに対して、「なんとなく難しそう」「船の手配が大変で高い」など、どこか近寄りがたいイメージを抱いている方も多いのかもしれません。 しかし実際には、船の予約さえ完了すれば、初心者でも気軽に船釣りを楽しめます。
釣り道具の準備や釣れるスポット探し、魚を釣るためのコツまで、すべて船宿にお任せできますから、むしろ初心者向きの釣りスタイルだと言えるでしょう。

いったん海に出てしまえば、爽やかな風を感じながら、自由気ままに釣りを楽しめます。
新鮮な魚を食べるところまでを、一連のレジャーとして楽しめるでしょう。
ぜひ船釣りの魅力を、気軽に満喫してみてくださいね。

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