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船釣り初心者講座-3

公開日:2023/12/23

初めての予約でも大丈夫!船宿の営業システムやルール・マナーを解説

「船釣りをしたい!」と思った際に、まず意識したいのが「船宿」についてです。 初めて釣りをする場合、「船宿とはいったい何だろう?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。 このコラムでは、船宿に関する基礎知識をわかりやすく解説。 船宿の営業システムや知っておきたいルールやマナーのほか、予約の仕方についても説明するので、ぜひ参考にしてみてください。 船宿選びは、船釣りを楽しむための第一歩です。 ぜひ前向きな気持ちで楽しんでみてくださいね。

そもそも「船宿」とは何のこと?

釣り経験がない方にとって、耳慣れないキーワードの一つが「船宿」ではないでしょうか。 「船はわかるけれど…船宿とはどういうこと?」と悩んでしまう方も少なくありません。

船宿とは、顧客に対して船を貸し出すお店を指します。 「宿」と聞くと、「宿泊しないと釣りができないの?」と思いがちですが、決してそういうわけではありません。 人間が宿泊するための宿ではなく、船を維持管理するための場所をイメージすると良いでしょう。

ちなみに、船宿の中には、釣り人向けの宿泊施設を備えているお店も少なくありません。 船釣りの出港時間は、ターゲットに合わせてさまざまです。 朝早くに出発するプランもあれば、夜遅くに出発するプランもあるでしょう。 宿泊施設が備わっていれば、体力的にも無理なく船釣りを楽しめるはずです。 当日の移動時間が少ない分、遅刻のリスクが減らせますし、またターゲットを変えて連日釣りを楽しむ方も少なくありません。 もし、宿泊を伴うプランをご希望であれば、船宿の中でも宿泊施設を伴うところを選んでみてください。

シンプルに釣りのみを楽しみたい場合、まずはインターネットで船宿の情報を検索してみましょう。 好みのターゲットや日程、スケジュールを確認の上、船宿に予約の連絡をします。 電話やEメールで予約を受け付けているところが多いようです。 予約内容に関して、船宿側から質問があれば、できるだけわかりやすく答えるようにします。 予約の途中でわからない言葉があれば、初心者であることを伝え、その場で教えてもらえばOKです。

電話での予約は敷居が高い…と思う方には、インターネット上の釣り船予約サイトから、好みのプランを探し予約するのがおすすめです。 この場合、ターゲットや料金、スケジュールなどを比較検討した上で、自分にぴったりの船を探せます。 内容を確認の上、自身の情報を入力すれば、非常に手軽に予約を完了できるでしょう。 船宿の情報に疎くても大丈夫ですから、初心者にもおすすめですよ。

船宿の営業システムは大きく2つ!

自分に合った船宿を探す際に、事前に頭に入れておきたいのが、その営業システムについてです。 船宿の営業システムは、大きく2つに分けられます。 自分に合った船を選ぶための基礎知識となりますから、ぜひチェックしてみてください。

乗合(のりあい)とは?

遊漁船の営業スタイル、一つ目は「乗合(のりあい)」と呼ばれる方法です。 こちらは、街中を走る路線バスをイメージすると良いでしょう。 目的地と時刻表があらかじめ決められており、乗客は決められたバス停から乗車。 バスを動かすための費用は、乗客全員で負担する仕組みです。

乗合船も同様で、ターゲットや料金があらかじめ設定されています。 船釣りをしたいお客さんは、その情報をチェックし、好みの乗合船に予約を入れます。 あとは当日、集合場所に出向けば船釣りに出られるでしょう。 1人からでも手軽に予約でき、釣りを楽しめる点が最大のメリットです。 船を動かすための費用は乗客全員で負担するため、1人あたりのコストを抑えやすい点も魅力と言えます。

ただし乗合の場合、自身の希望に合わせて船を動かしてもらうことは不可能です。 また予約人数によっては「儲けが出ない」と判断され、船の出港そのものがキャンセルになってしまうケースもあります。

仕立(したて)とは?

遊漁船の営業スタイル、もう一つは「仕立(したて)」です。 乗合船が路線バスなら、仕立はタクシーをイメージしてみてください。 自身の希望に合わせて行き先やルートを選択でき、途中で臨機応変な対応も可能。 何より、同じ乗り物内に、知らない乗客が乗り込むことはありません。

仕立船とは、いわゆる「貸し切り船」のこと。 仲間内で1隻の船を貸し切って出港し、自分たちの好みに合わせて釣りを楽しませてもらえます。 船長と相談の上ではありますが、途中でターゲットを変えたり、スポットを変えたりすることも可能でしょう。 乗合よりも柔軟に楽しめます。

一方で、船を動かすための費用は、すべてグループ内で負担しなければいけません。 乗合船よりもコストは高くなりがちです。

船宿によっては、

・乗合船だけ
・仕立船だけ
・プランによって両方を

といった営業パターンがあります。
乗合と仕立のどちらが良いのか確認した上で、それに沿った船宿とプランを選択してみてください。

初心者にはどちらがおすすめ?

乗合と仕立には、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。 「初心者はどちらを選ぶべきだろう?」と悩みがちですが、予算の面から考えると、乗合船を選ぶのがおすすめです。 初心者歓迎の船宿を選べば、乗合であっても安心して楽しめるでしょう。 またターゲットやルートがすでに決まっている分、余計なことを考える必要もありません。 ベテランの方と一緒に乗船すれば、釣りのコツを学べる可能性も。 ぜひ、初心者でも釣りやすい魚種をターゲットにした乗合船に注目してみてください。

船宿を利用する上で知っておきたいルールやマナー

船宿を利用する際には、いくつか覚えておくべきルールがあります。 気持ち良く釣りを楽しむための基礎知識でもありますから、ぜひ事前に頭に入れておいてください。 船釣り初心者が特に注意したい、6つのポイントを解説します。

事前準備に関するマナーとルール

船釣りを楽しむためには、「船宿さえ予約しておけばOK」というわけではありません。 事前準備をしっかりと整えておくことも、大切なマナーです。

船宿の中には、初心者向けに釣り道具をレンタルしてくれるところも少なくありません。 とはいえ、何がレンタル対象に含まれているのかは、船宿によって異なるもの。 借りたい道具がある場合、必ず事前に確認しておきましょう。 当日現場で、「○○が足りない!」と慌てる恐れもなくなるはずです。

また自前の道具を持ち込む際にも注意が必要です。 特に乗合船の場合、使用する釣り道具を船中で統一しておくことが、トラブル予防につながります。

・使用する仕掛けの種類
・オモリの号数
・PEラインの号数
・餌の種類

これらのポイントについても、必ず事前に確認しておきましょう。 マナー違反で白い目を向けられるリスクも回避できるのではないでしょうか。

集合のマナーとルール

船宿を予約すると、その場で集合場所や集合時間が伝えられます。 基本的には「その時間に合わせてその場所に向かえばOK」なのですが、ここにもいくつか注意したいポイントがあります。

集合時間に遅れないよう、十分に注意してください。 乗合船の場合、船に乗るのは自分だけではありません。 一人のマナー違反が、一緒に乗船するすべての人に迷惑を掛けてしまう恐れがあります。 出船時間と集合時間には、大体1時間程度の差があるケースがほとんどです。 渋滞やトラブルが原因で集合時間に間に合わない場合、できるだけ早く連絡を入れておきましょう。

船釣り初心者の場合、余裕を持って集合することで、全体の流れがつかみやすくなります。 料金の支払いや乗船名簿への記入、レンタル品の確認など、慣れない動作も余裕を持ってこなせるはずです。 また周りのスタッフとコミュニケーションを取る余裕があれば、レンタルアイテムの使い方や釣りのコツなど、初心者に役立つ情報を教えてもらえる可能性もあるでしょう。

駐車場のマナー

釣り船の集合時間は、朝早かったり夜遅かったりと、ターゲットによってさまざまです。 また集合場所が、公共交通機関で行きやすい場所とは限らないでしょう。 必然的に、「集合場所まで車で行く」というケースも増えるはずです。

このような場合には、駐車場に関する事前確認も必須です。 駐車場の場所や停められる台数もチェックしておけば、当日現地で駐車場を探してバタバタする恐れもありません。 駐車場に関する情報は、船宿が公開しているウェブサイトをチェックしてみると良いでしょう。 また釣り船の口コミサイトなどで、情報を見つけられる可能性もあります。

もっとも確実なのは、船宿に連絡して直接確認する方法です。

・駐車場がどこにあるのか?
・集合時間間際でも余裕を持って停められるのか
・満車の場合はどう対応するべきか?

このような点を確認しておけば、当日現地で慌てるリスクもなくなるはずです。 ホームページ上の問い合わせ窓口を利用したり、電話で直接聞いたりすると良いでしょう。

駐車場が見つからないからといって、路上駐車をしたり近所のお店に勝手に停めたりするのは、やめてください。 船宿や近隣住人に迷惑を掛けないためにも、駐車場のマナーを守って行動しましょう。 また駐車場に車を停めたあと、店舗から船への移動にも、詳細ルールを設定している船宿もあります。 注意事項をしっかりと確認し、マナーを守って行動してください。

船宿の中には、利用者に常連さんが多く、「暗黙のルール」で詳しく説明してもらえないようなケースもあります。 よくわからない場合は、恥ずかしがらずに聞くのがベストです。 「すみません、初めてなのでよくわからなくて…」と伝えれば、丁寧に説明してもらえるケースがほとんどですよ。

船席の取り方のルールとマナー

乗合船には「釣り座」と呼ばれる席が用意されており、乗船者は一人一つずつ割り当てられます。 釣り座の中には、有利な場所もあればそうではない場所も。 誰がどの釣り座を取るのかは、利用する船によって異なるルールが設定されています。 トラブルを避けるためにも、席の取り方に関するルールを守って行動するのがおすすめです。

釣り座の取り方には、主に、

・先着順(当日現地で、好きな場所から取っていく方法)
・抽選(誰がどの席に着くのか、くじ引きで決定する方法)
・予約順(船宿に予約を入れた順番に、良い席から埋めていく方法)
・船長の指示(船長の指示によって、誰がどの席になるのか決定する方法)

といったタイプがあります。

多く見られるのは先着順です。 この場合、良い釣り座を取るために、非常に早い時間から待機しているケースもあります。 またこれ以外にも、常連さんが「指定席」を持っている事例も少なくありません。 その船のルールを守った上で、臨機応変に対応しましょう。

船釣り初心者の場合、船長のすぐ近くの席を確保するのがおすすめです。 わからない点があってもすぐに質問できますし、事前に初心者であると伝えておけば、気に掛けてもらえるはずです。 釣りを楽しむため、また周囲の迷惑にならないよう、手厚いサポートを受けられるでしょう。 このあたりについても、集合時間に余裕を持って到着し、しっかりコミュニケーションしておくと安心ですね。

乗船する際のルールとマナー

船釣りを快適に楽しむためには、乗船する際のルールやマナーを理解し、行動することが大切です。 いくつかポイントを紹介するので、それぞれチェックしてみてください。

【しっかりと挨拶をしよう】
船に乗る際には、今日1日お世話になるスタッフの方々に挨拶しましょう。 また自身の両隣の釣り座の人にも、しっかりと挨拶をしておいてください。 最初の印象が良ければ、後々のトラブルを防ぐことにもつながります。

釣りをしている最中のトラブルでもっとも多いのが、お互いの仕掛けが絡んでしまう「オマツリ」です。 初心者で勝手がわからないと、オマツリが起きるリスクも高まるでしょう。 気持ちの良いコミュニケーションが取れているかどうかで、相手の反応が変わってくる可能性も十分にあります。

オマツリをしないように十分に注意することももちろん大切。 とはいえ、完全に避けるのは難しい問題だからこそ、万が一発生してしまったときでも、気持ちよく切り抜けられる関係性を意識しましょう。

【安全性には十分に配慮しよう】
乗船中は、自身の責任において、しっかりと身の安全を守ることも大切なマナーです。 乗船前から、安全性を意識した行動を心掛けてください。

まずライフジャケットは、乗船前から必ず着用するようにしましょう。 こちらは法律で定められたルールの一つです。 「自分は大丈夫だから」と、勝手な判断はしないようにしてください。 船宿でも道具のレンタルはしてもらえますが、自身の体型に合った専用のものを用意しておくと安心です。

また出発前には、トイレを済ませておきましょう。 走行している船は、想像以上に大きく揺れます。 立ち歩いていると落水したり、周囲の人にぶつかったり、釣り道具や船内の備品を破壊してしまったりする恐れもあるでしょう。 出発前に事前準備を済ませ、落ち着いて座っていられる環境を整えておくのがおすすめです。

船宿の基本知識を知っていれば初心者でも安心!船釣りをもっと楽しんでみて

初心者にとって船釣りとは、「予約が必要でハードルが高そう…」と感じる方も多いのではないでしょうか。 とはいえ実際には、初心者を積極的に受け入れている船宿も、決して少なくありません。 アットホームで親切な船宿を選べば、初めての船釣りでも安心して楽しめるでしょう。 今回紹介したルールやマナーも参考にして、ぜひ船釣りの魅力を堪能してみてくださいね。

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