Okippa!

船釣り初心者講座-5

公開日:2024/02/22

船釣りで必要な道具について|何が必要?用意するべきアイテムと注意点

初めての船釣りで、何を持って行けば良いのか悩む方は少なくありません。 いったん船で沖合に出てしまってからでも、仕掛けやオモリについてはある程度のストックが船にあり、 海上で販売してくれる船も多いですが、できるだけ万全の準備を整えて挑みたいものです。

今回のコラムでは、船釣りを楽しむために必要なアイテムを紹介します。 ロッドやリールなど、初心者が特に悩みやすいポイントをわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

船釣りに必要なアイテムを揃えよう

船釣りのターゲットを決め船宿の予約を済ませたら、必要なアイテムを揃えていきましょう。 船釣りで必要になるアイテムは、以下のとおりです。

【船釣り用の竿(ロッド)】

魚を釣るために必要な竿です。 陸から魚を釣る場合と比較して、船釣り用のロッドは使用する重りの号数が大きいという特徴があります。 船釣り用の専用ロッドを用意しましょう。 自身で購入する際の注意点については、後述します。

【リール】

リールは、ロッドに組み合わせて使う釣り具の一つです。 さまざまな種類があるため、釣りのスタイルに合わせて選択しましょう。 リールの種類別の特徴や選び方については、次項目以降で解説します。

【仕掛け】

魚を釣るために欠かせないのが仕掛けです。 船釣りでは、予備も含めて少し多めに持参すると良いでしょう。 どんな魚をターゲットにするのかによって、選ぶべき仕掛けの種類は異なります。 事前にリサーチしたり、船宿に問い合わせたりするのがおすすめです。 特に乗合船の場合、事前に船長が仕掛けを指定しているケースも少なくありません。 事前に確かめておくと、安心して準備できます。

【クーラーボックス】

船の上に持ち込む食べ物や飲料を管理するため、また釣った魚を持ち帰るために欠かせないのがクーラーボックスです。 クーラーボックスのサイズは、ターゲットの魚のサイズに合わせて選択しましょう。 小物狙いであれば、20リットル前後のモデルがぴったりです。 中型狙いの場合は、35リットル前後の容量を選択してみてください。 迷ったときには、小さめよりも少し余裕があった方がおすすめですよ。

【魚掴み(フィッシュグリップ)】

魚から針を外す際に、あると便利なのが魚掴みです。 魚を直接触らずにしっかりと固定できるため、細かな作業もしやすくなるでしょう。 タオルで代用も可能ですが、初心者の場合、用意しておくのがおすすめです。 鋭い歯を持つ魚にも、安心して対応できます。

【ハサミ】

仕掛けの糸を切るために、必ず必要になるのがハサミです。 それほど高性能なものを用意する必要はありませんが、ステンレス製を選ぶのがおすすめ。 海の水にも強い製品を選択すると良いでしょう。

【プライヤー】

プライヤーは、魚から針を外すための道具です。 手で針を外すこともできますが、プライヤーがあれば奥の方に引っかかってしまった針も手早く取り除けるでしょう。 ホームセンター等で購入できるラジオペンチでの代用も可能ですが、専用のものを用意した方が時間短縮につながります。

【タオル】

釣った魚を掴んだり、汚れた場所をさっと拭いたりと、何かと重宝するのがタオルです。 複数枚用意して、用途別に使い分けても良いでしょう。

【昼食と飲み物】

1日を通して楽しむプランの船釣りでは、自分の食べ物や飲み物は持参するのが基本です。 必要な量を用意しましょう。 食べ物はできるだけ、あっさりとしていて食べやすいものがおすすめです。 おにぎりやサンドイッチなら、揺れる船内でも手軽に口に運びやすいでしょう。 船酔いが心配な方は、消化が良く、胃腸に負担がかかりにくいメニューを選択してみてください。 飲み物は、余裕を持って準備しておくのがおすすめです。

【酔い止め薬】

初めての船釣りでは、船酔いに悩まされる方も少なくありません。 普段から乗り物酔いしやすい方も、そうではない方も、念のため酔い止め薬を持参しましょう。 船に乗る前に飲んで、準備を整えておくのもおすすめです。

【ゴミ袋】

船上で発生したゴミを持ち帰るための袋です。 サイズが小さめのものを複数枚用意しておくと、ゴミの分別ができて便利。 濡れたタオルを持ち帰る際にも、他の荷物が濡れるのを防いでくれます。

服装やバッグにもこだわるのがおすすめ

船釣りでは、当日の服装や持ち物を入れるバッグにもこだわってみてください。 船釣りにぴったりのアイテムを選ぶことで、1日を快適に楽しめるでしょう。

【動きやすく汚れても良い服】

船釣りに出かける際に、悩みやすいのが服装についてです。 基本的には、動きやすく汚れても良い服装を選んでください。 冬場のお出かけには防寒対策が必須です。 動きやすく温かで、風を通しにくい服装を選ぶと良いでしょう。 反対に夏場は、紫外線対策が重要です。 ラッシュガードやレギンスも上手に活用してみてください。

【長靴】

船釣りに行く際の足元には、防水対策が必須です。 水濡れを気にせず、1日快適に過ごせる装備としては、やはり長靴がおすすめ。 足底のゴムがしっかりホールドしてくれるので、ケガ予防にも役立つでしょう。 夏場の船釣りで「長靴だと暑い…」という場合には、マリンシューズを選択しましょう。 水に濡れても歩きにくくならず、快適に過ごせます。

【帽子】

いったん船で海上へと出れば、日差しを遮るものは何もありません。 帽子をかぶって、熱中症を予防しましょう。 日焼け対策としても有効です。 冬場の船釣りでは、頭部や耳の防寒対策として役立ちます。 どんなタイプの帽子でもOKですが、風に飛ばされやすいため、ゴムや紐で留められるタイプがおすすめですよ。

【サングラス】

目への負担を和らげるためにも、ぜひサングラスを用意してください。 偏向タイプを選択すれば、海からの照り返しも気になりにくくなるでしょう。 反射光を防ぐことで、船酔い対策に効果が期待できるケースも。 基本装備の一つとして準備しておくのがおすすめです。

【雨具】

どれだけ良い天気に見えても、雨具は持参するのがおすすめです。 海の上では、急に天候が変わるケースも少なくありません。 レインウェアがあれば、風が強い日の風よけとして使えます。 また思った以上に気温が下がった日には、防寒具としても重宝するでしょう。

【ライフジャケット】

海上で命を守るための必須アイテムがライフジャケットです。 遊漁船に乗る人には、法律でライフジャケットの着用が義務づけられています。 船宿でも無料で借してくれるところがほとんどですが、自分の体型に合ったものを準備しておくのもおすすめです。

バッグは防水タイプがおすすめ

釣りに必要なアイテムをまとめるバッグは、防水タイプがおすすめです。

・タックルバッグ
・バッカン

これらの釣り用収納バッグなら、必要なアイテムを取り出しやすく整理整頓しやすいでしょう。 船上で使える自分専用スペースは、ごく限られています。 専用バッグがあれば、効率良く使えるはずです。

レンタルできるアイテムは事前確認が必須!

初めての船釣りで、すべてのアイテムを一から揃えるのは大変です。 こんなときには、各舟宿が提供しているレンタルアイテムを活用してみてください。 購入するよりもコストがかからず、また「何を用意すればわからない…」といった不安を抱える恐れもありません。 多くの船宿では、以下のようなアイテムを貸し出しています。

・ロッド
・リール
・ライフジャケット

また仕掛けについても、船宿で販売しているケースが多いです。

ただしレンタル品の取り扱い状況は、船宿によって異なります。 「レンタルできると思ったのに、できなかった!」なんて事態にならないためにも、事前にしっかりと確認しておきましょう。

・レンタル品にはどういったものがあるのか?
・レンタル品を利用するための注意事項
・レンタルにかかるお金

これらのポイントを予約時に確認しておけば、当日もスムーズに手続きできます。

初心者にとってターゲットに合ったタックルを船宿で借りられるのは嬉しいポイントですが、当然、自身のこだわりを反映させられるわけではありません。 このあたりについても、しっかりと把握した上で利用するのがおすすめです。

本格的にスタートするなら購入もおすすめ

「レンタル品ではどんなアイテムに当たるのか不安」「どうせこれからスタートするのだから、自分専用のアイテムを使いたい」という場合には、ロッドやリールを自分で購入するのもおすすめです。 初心者にとっては選び方が難しいアイテムではありますが、やはりレンタル品とは一味違った魅力を楽しませてくれるでしょう。 それぞれのアイテム選びの基礎知識は、以下のとおりです。

ロッド編

船釣りで使われる専用ロッドには、以下の2つの種類があります。

・ベイトロッド
・スピニングロッド

基本的に船釣りはベイトリールを使う場合が多いので、それに合わせてベイトロッドを使います。 船の下へと仕掛けを落とし、獲物を引き寄せるタイプの釣りで重宝するでしょう。 臨機応変にラインを出し入れできるため、細かな調整がしやすいという特徴があります。 浅場から深場まで、比較的幅広い船釣りに対応可能です。

一方のスピニングロッドは、仕掛けを投入する動きに優れたタイプです。 たとえばシロギス船に乗る場合、仕掛けを横方向にやや投げることに。 スピニングタックルであれば、細かな動きにも対応しやすいでしょう。 また非常に軽い重りを使って釣りをする一つテンヤや、疑似餌を使うルアーフィッシングも、スピニングタックルが中心です。 どちらのロッドが合っているのか、好みの釣りスタイルから選択してみてください。

リール編

ロッドに組み合わせて使うリールには、主に以下の3つの種類があります。

・ベイトリール(両軸リール)
・電動リール
・スピニングリール

両軸リール とも呼ばれるベイトリールは、ベイトロッドと組み合わせて使われます。 船宿でレンタルタックルを利用する場合も、「ベイトロッド+ベイトリール」という組み合わせが多いでしょう。 しっかりと糸を巻き上げる力があり、繊細なライン操作にも対応しやすいという特徴があります。

船釣り用のベイトリールには右側にハンドルが装着されたタイプが多いものの、左ハンドル仕様のものも販売されています。 製品タイプは多少制限されてしまいますが、探してみるのもおすすめです。 またカウンター(ディスプレイ)を搭載した、カウンターリールと呼ばれるタイプも人気があります。

電動リールは、糸を出したり巻き上げたりする動作を、電動でサポートしてくれるタイプのリールです。 以下のような自動機能が搭載されており、初心者にとっても使い勝手の良いリールであると言えるでしょう。

・巻き上げスピードの調節
・仕掛けのシャクリ
・巻き上げ時間のタイマー設定
・船べりでのストップ

もともとは深場の大物をターゲットにする際によく使われていたリールタイプですが、近年小型化が進んできています。 より使い勝手が良くなったことで、浅場での釣りにも積極的に採用する方が増加中です。 ターゲットに合わせたサイズを選択しましょう。 また船釣りで電動リールを使用する場合、電源確保が重要な課題になります。 電動リール用の電源を備えている船が多いのですが、故障していて使えない場合もあるので 船釣りに慣れて来たら自分専用のバッテリーを購入するのがおすすめです。 手動のベイトリールと比較して価格が高い点がデメリットですが、水深40mより深いターゲットを狙う場合、 手返しが楽な電動リールを使う釣り客がほとんどです。

最後の一つ、スピニングリールはスピニングロッドと組み合わせて使います。 船釣り専用というよりは、陸から楽しむ釣りで使われるケースが目立つリールと言えるでしょう。 ベイトリールと比較した場合、巻き上げ力はやや劣ります。 その分、キャストがしやすく、また軽い重りを素早く落とせるというメリットがあります。 過去に岸釣りを楽しんだ経験がある方にとっては、「すでに持っているアイテムを流用しやすい」という点も、魅力の一つと言えるでしょう。 船釣りの場合、狙えるターゲットは限られてきますが、比較的リーズナブルに購入できます。

道糸編

道糸とは、リールに巻く糸を指します。 仕掛けを海中に届けるために欠かせないアイテムですが、船釣りで使われるのはほぼPEラインです。 PEラインの特徴は、耐久性に優れている点です。 獲物を釣り上げるのに充分な強度がある一方で、伸びが少ないという特性を持ち、さまざまなターゲットに対して便利に使えます。 ターゲット別のPEラインのサイズは、以下を参考にしてみてください。

・小物釣り(シロギスやカワハギなど) → 0.8号~1.5号
・小物釣り~中物釣り(アジやヤリイカ、マダイなど) → 3号~5号
・深場釣りや大物釣り → 8号~10号(場合によってはそれ以上)

また、船釣り用のPEラインを選ぶ際に重要なのは、自分の仕掛けが水深何メートルの位置にあるのか、一目で把握できる仕組みです。 船釣りでは、船長から仕掛けを垂らすタナを細かく指定されるケースも多いもの。 1メートルごとのピッチマーキングと10メートルごとの色分けがされている、専用アイテムを選択しましょう。 一度購入すれば比較的長く愛用できる品ですから、ケチらず専用品を購入するのがおすすめです。 また仕掛けを交換する際に、PEラインを切ってしまうと、この目印が機能しなくなってしまいます。 道糸を切らないように注意しましょう。

必要アイテムを揃えていざ船釣りに挑戦してみよう

ここまで、船釣りで必要になるアイテムについて紹介しました。 今回紹介したもの以外にも、釣りのターゲットやタイプによっては、違ったアイテムが必要になる場合も。 たとえばシロギスやカレイといったターゲットを投げ釣りで狙う場合、専用の仕掛けと天秤を用意する必要があるでしょう。

船釣りで必要なアイテムについて、よくわからない点があっても慌てる必要はありません。 予約した船宿に連絡し質問すれば、必要なアイテムは何か、また船でレンタルできるアイテムがあるかなど、わかりやすく説明してもらえるでしょう。 必要なアイテムを揃えたら、いざ船釣りを満喫してみてくださいね。

釣りコラム一覧へ